こんにちは。伊丹展示場です。
5月27日(土)にSE構法の材木をプレカット(※)する工場、
(株)岡本銘木店 京都工場へ久しぶりに行って来ました。
中国自動車道宝塚インターから大山崎インターを経て、八幡市の工場まで約40分。
土曜日のため、時間に余裕を持って出掛けたのですが、
山間の景色が流れる中、スイスイ走り、予定の1時間前に着きました。

工場の裏手にある駐車場に置かせていただいた車で軽く昼食を済ませ、
他のお客様が到着される前に、ぐるっと工場内を回らせていただきました。

以前来た時よりも、SE構法の材料が増えているように見えました。
製材された材木もSE構法のものばかり目につきました。

SE構法の材木は指定工場からしか出荷されないことになっており、
丁寧にビニール養生された出荷前の製材や、これから製材される材木が積み上げられています。

SE構法の柱や梁は「欧州赤松」の集成材、土台や大引きには檜(ヒノキ)の集成材が使われており、どれも美しく、安心感があります。
とは言うものの、集成材は “人工材”であることに変わりはありませんので、中には割れの入った集成材があるのではないか、工場の中ではどのように管理や検査が行われ、保証もどうなっているのかをはっきりと確認しておく必要があります。
このあたりが、SE構法が「信頼に値するかどうかを見極める」一つのポイントです。

ちなみに、日本の集成材(しゅうせいざい、Laminated Wood・Engineering Wood)には 「構造用(耐力部材)」と「造作用(非耐力部材)」があり、また、日本特有のことかもしれませんが「化粧梁」用や「化粧柱」用の集成材もあります。

日本人は“木の表面に美しさを求める”ため、たとえば木造在来工法の真壁(しんかべ)の和室で値段の高い良質な檜や杉の無垢材を使えない場合に、スプルース(ホワイトウッド)などの構造用集成材の表面を厚さ1ミリ程度の檜や杉の化粧単板で覆った柱や梁を使うことがあります。

最近は真壁の住宅が減り、こういった材料を使うことは少なくなりましたが、SE構法を愛する人たちは梁を見せる建築を建てることが多く、こういう場合は「あらわし」と呼ばれる木目が綺麗な構造用集成材を使います。
ところがここにあるSE構法の集成材は殆どがこの「あらわし」ではないかと思うほど、美しく仕上げられた集成材ばかりなので、驚きました。

材木工場のこのような光景を見るのが初めての方は気付かないかもしれませんが、大工さんが家を建てる前に、材木を1本1本「刻む作業」をしている場所と比べると、足元にカンナ屑や切れ端が落ちていない工場は綺麗過ぎて、不思議な感じすら受けます。

午後1時半、いよいよ「見学会」が始まります。

参加者は一般のお客様が39名、登録施工店が当社を含めて11社(24名)。
兵庫県内だけでなく、大阪、京都、滋賀、奈良、そして遠くは高知からも来られていました。
セミナー中は小さなお子様たちが退屈しないようにおもちゃが用意されており、
早速、遊びに“集中”していました。


一番最初にSE構法を理論的にお勉強します。
そしてここで参加者の皆さんが腰をかけている長椅子こそが、SE構法の集成材です。
工場の方々が大変気を遣ってくださっているのがよくわかります。

SE構法と在来軸組工法の構造を比較しながら、強度上、特に大きく異なる点を画像を使って説明されていました。
難しかったかもしれませんが、画像や言葉の中に何か一つでも腑に落ちる箇所があれば、今日はそれで十分です。

そしていよいよ工場の機械を実際に動かして集成材がプレカットされていく様子を見ます。
先ほどまで静かだった機械にスイッチが入ります。木の衝立で隠れて見えませんが
黄色のヘルメットをかぶったお子様が始動ボタンを押しました。


すると途端に、説明と目線の先が一致しないほど、人の手を借りずに次々と大きな集成材の梁が横滑りしながら裁断用の機械に吸い込まれていきます。
同時に木屑も吸い取られ、空気中には埃がまったく舞いません。コンピューター制御による機械の動きは素晴らしく、日頃の機械の手入れが行き届いているからこそと思われます。


最後に、出来上がったSE材が、工場の検査責任者によって厳しくチェックされます。
集成材に割れが入ったり剥離が起きていないか、木目に問題が無いかなど、必ず目視で確認されます。
今日はここで大勢の参加者の目が一斉に注がれました。
ここで私も直接質問をしました。
「この段階でひび割れたり、剥離が起きていたら出荷はどうなりますか?」
『出荷できません!』
その答える声に、これまでの経験と責任感からくる確かな目を備えた人の「私の目に狂いや間違いは無い!」といった“自信”を感じ、さらに信頼度がアップしました。

SE金物がどういう向きで装着されるかなど、皆さん真剣に聞き入っておられます。

JASの認定シールの見方なども詳しく教えてもらいます。

そして休憩を挟んで本日のメインイベント!
工場内にクレーンが用意され、本物の大工さんが「建て方」を目の前で実演します。

 

SE構法に手馴れているとは言え、テンポ良くSE材が接続され、ドリフトピンが打ち込まれていきます。
SE構法が大きく優れている点は、柱や梁の接続箇所に“断面欠損が少ない”(在来軸組工法と比べるとほとんど無い)ことと、在来軸組工法の場合に使用される大量の補強金物や釘打ちが無いことです。

もしもこの横で在来軸組工法の「建て方」が同時進行していたら、初めて見るお客様にもその違いがすごくよく分かるのになあと、思いました。
材料の一部だけでは解り辛いのでは・・・と。


熱心に一眼レフカメラを構える“カメラ女子”です!なかなか鋭いですぞ!
撮っている先はまさにSE構法のポイントですね!

さて、工場見学はいかがだったでしょうか。
家づくりで何が大切なことかお解りいただけましたでしょうか。
そして、SE構法で住まいを建てることが「信頼に値するものかどうか」という疑問の答えを導くことができたでしょうか。
将来に渡って “家族の命を預けるもの”と言っても過言ではない建物の構造を知ることや、それを事前に自分の目で確かめることの重要性。そしてあなたが家に支払うお金の使い方も含めて、しっかりと考えなければなりません。
今日参加された方々はきっと気付いてくださったはずです。

●言葉の意味
※プレカットとは・・・英語で書くと「pre‐cut」。「あらかじめ、切断する」と言う意味になる。
           現場やきざみ場で大工さんが行う木材加工ではなく、コンピューター制御
           による機械で製材加工すること。大工さんの減少や大工さんの技量にも差
           が出始め、1990年(平成2年)頃から急速に普及し始めた。
           建材メーカー
による階段材もプレカットしたものが搬入されると工期短縮
           につながり、
大工さん側も徐々に抵抗が減っていったように思う。
           木材の含水率(水分)
管理も同時に行われるため木の狂いも減り加工精度
           が向上、現場での廃材
もほとんど無くなった。特に、木材が現場で雨ざら
           しにされることがなく
なったのはプレカット技術のお蔭でもある。